栃木県実業団剣道連盟 みんなの掲示板 99695


鎬のつかいかた④‐3

1:松村司朗:

2024/05/06 (Mon) 20:33:11

二本目の相中段の稿 鎬についてです

本日の栃木県剣道大会での各試合、各立合い98%が相中段です
上段に対する中段の鎬使いについては、五本目、六本目、小太刀一本目を論ずる稿でお話しします

まず、今日の各試合を拝見していて思ったことです 先日の京都で八段に合格した藤原さんの中段の構え、鎬のつかいかたが、絶妙に良かったです どこがどうと言語表現は難しいですが 後ほど、それにちかいことを述ベていくつもりではいますが

私の立合い演式については、お相手は中川良治先生 ここのところ、立て続けに立合演武のお相手となっていて、お稽古も何度もいただき、剣道談義も重ねている方です

蹲踞から立ち上って、2~30秒の鎬争い(気あらそい 決して剣先・刃先あらそいではなかったと思う) 初太刀は気あたり(鎬あたり)で終わり、後は三~四合、あったかと思います
立合い直後「今回はお互い、無駄打ちなく、良かったですね」と笑顔でご挨拶したのに…
控え室で、着替えていると、そこに、そのときの立ち合い人だった、私の学生時代の先輩先生 「なんだあれは! もっと自由に動いて、もっと打っていけよ!」(お叱り?励まし?)と… 私の応答「イヤー、先輩、私、もう、そんなに、動けなくなっていますので」(言い訳?逃れ?)と… しかし、内心では、命のやり取りをそんなに、するものではないでしょう、などと、考えておりました(笑) 静中動、なんですよ…と

また、本日、雛壇からおりてトイレに向かっていたときに、若い方が、私にかけよって来て「先生、あそこの掲示板、いつも見てます      剣道にも、生活のしかたにもいろいろ迷いと不安があって困ってます」と 私の応答「私は、あなたのことはよくわかっていません とにかく中段に構えて『瞬間善処』してください」と

『大日本帝国剣道形』(原本)、『日本剣道形解説書』(黄色の解説書)、『剣道講習会資料「日本剣道形」』(現行)の三者、いずれも二本目についての説明は、極めて簡素です

それは、二本目の理合いや動作が簡単であるからではありません その妙味を言語や図、映像で表現することが難しいから、と言えます

私が五十代半ばで出席していた講習会資料「日本剣道形」作成委員会では、最も議論伯仲したのは二本目でした

まず、中段の構えです
その理合いや動作については、どこにも明記されていなかったのです
古文書や昔の大先生のの書き残したもの、ロ伝、写真や映像なども皆さんで調べ、持ち寄ったのですが、様々でした

水の構え、人の構え、臨機応変の構え、城の構え、正眼(晴眼、青眼、星眼、臍眼、三角矩など)の構えなどなど、とにかく剣先を相手のどこに付けるかの議論から始まりました

そもそも「付ける」とはなにか?も問題になりました
「付ける」とは意識の問題であって動作の問題ではないという主張もありましたが、私の海外での指導では、外国人はほとんどが剣先の高さ(動作)についての問い詰めが多かったのです

なので、委員会で私がその問題について提起しました
結論は、皆さんもご承知の通り「刀の鍔元(刃区 はまち)と剣先の延長線が相手の目のあいだ(眉間)または、左目となる」(物理的表現)となりました(いろいろありましたが)
つまり、相手からは、「鎬」も「刃先」も見えないか、ほんのわずかに「左(表)鎬」が見えるように構えるのが中段の構えとなりました

ただし、その際、相手との間合い(距離)が問題になりますし、剣先の高さは相手の目、寸田、人中、咽喉部、胸部、水月(水落)、臍であるとの様々た主張が、あったこともご承知置き下さい

確かに矛盾するのです 例えば、刀(竹刀)の延長を相手の目に付け、剣先の高さ相手の喉にすると、相手との間合い(距離)もあって、それができる相手とできない相手がいるのです 身長の差もおおいにあるでしょうね

スマホで文字を打つのに、少し目が霞んで、疲れてきました 私、後期高齢者です(笑)

二本目の「鎬」については、まだまだ続きます 次稿④‐4にしたいと思います


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